初発見は置戸町!エゾナキウサギはどんな動物?生息地も紹介

初発見は置戸町!エゾナキウサギはどんな動物?生息地も紹介

突然ですが、皆さんは“エゾナキウサギ”という動物の名を聞いたことはありますか?
エゾナキウサギは絶滅危惧種に認定されている動物になるのですが、日本だと北海道のみに生息しています。
その珍しさから北海道の山を登る登山者からは「一度は目にしたい!」と言われるほど。

また、エゾナキウサギの最初の発見は置戸町ということで、今回はエゾナキウサギがどんな動物なのかや発見の経緯、現在の生息地を紹介したいと思います!

エゾナキウサギは置戸町で発見された珍しい動物

エゾナキウサギについて

エゾナキウサギが広く知られるようになったのは1928年(昭和3年)に置戸町で捕獲されてからだと言われています。
そもそもエゾナキウサギが捕獲されることになった経緯を説明すると、当時、置戸町のカラマツ林が正体不明の動物にかじられる被害が起きており、その犯人を捜したところ発見されたとのことです。

エゾナキウサギは当時カラマツ林を荒らす害獣として知られていたようですが、その愛くるしい見た目から現在はエゾナキウサギを一目見たいと山に足を運ぶ人も少なくないんだとか。

とはいえエゾナキウサギはとても警戒心が強く滅多に見ることは出来ないそうなので、登山などで山に行った際に見ることが出来た方はラッキーだと言えるでしょう。

置戸町ってどんな町?

ここで、エゾナキウサギが発見された場所でもある置戸町についても軽く話しておきます。

置戸町画像引用:概要|置戸町の紹介|置戸町役場

置戸町(おけとちょう)は北海道のオホーツク総合振興局(旧網走支庁)にある常呂郡の町です。
置戸町の人口は約2,800人。
夏冬・昼夜の気候差が激しく、北海道の中でも積雪降雨が少ない大陸性の気候だと言われています。

また、観光としては

・オケクラフトセンター「森林工芸館」
・どま工房
・森林体験交流センター

が有名です。

エゾナキウサギってどんな動物なの?

では、エゾナキウサギがどんな動物なのかについて話していこうと思います。

ナキウサギは、ウサギ目ナキウサギ科ナキウサギ族に属する哺乳類。ネズミのように見えますが、ウサギの仲間です。
1科1属で衰退しつつある非常に貴重な生き物であることを示しています。アジアと北アメリカに30種いますが、日本では北海道だけに生息しています。一般に「ナキウサギ」と呼ばれていますが、ユーラシア大陸北部に分布するキタナキウサギの亜種「エゾナキウサギ」が正式名称です。

引用:登山初心者.com

また、エゾナキウサギは約1万年以上前の氷河期にシベリアから北海道まで渡ってきたと考えられているそうで、氷河期が終わり海水面が上昇して帰れなくなると、暑さが苦手なエゾナキウサギは冷涼な北海道の山岳地帯へ移り住み生き残ったとされています。

そのため、エゾナキウサギは「氷河期の生き残り」とも呼ばれているんだとか。

エゾナキウサギの特徴

エゾナキウサギの特徴
エゾナキウサギの見た目の特徴としては以下の通りです。

  • 体長:約10~20cm
  • 体重:約60~150g
  • 毛:年に2回毛替わりし、夏毛は赤褐色、冬毛は灰褐色~暗褐色になる
  • 耳:約2cmと短く形は丸い
  • 尾:約6~7mmと短いため体毛に隠れてほぼ見えない
  • 足:長さは短く、前足の指は5本、後足の指は4本ある(前足で物は掴めない)

見た目からすると一見ねずみに思われるかもしれませんが、上あごの前歯の裏側に更に歯が二重に生えているというウサギの特徴があることから間違いなくウサギとされています。

エゾナキウサギはどこに生息しているのか

エゾナキウサギの生息地

そんな希少価値の高いエゾナキウサギは北海道の中でも限られた地に生息しており、現在は標高1,500m~1,900mの冷涼な地域(北見山地や大雪山系、日高山脈、夕張山地)の岩塊堆積地やガレ場を中心に生息していると言われています。

なぜ標高が高い所に生息しているのかは、上でも話したようにエゾナキウサギが暑さに弱いため。
調べたところによると、エゾナキウサギは15度以下の環境でないと生き延びることは出来ないんだそうです。

ちなみに、エゾナキウサギの観察スポットとしては『大雪山国立公園』の敷地内にある然別湖周辺がオススメなんだとか。
然別湖は先ほど話した生息地に比べて標高810mと低いのですが、温度が大丈夫かどうかが気になる方もいるかと思います。

しかし、然別湖は日本最大の(※1)風穴地帯となっていて夏でも涼しいためエゾナキウサギにとっては好ましい地域なのです。

(※1)風穴…砕けた溶岩が岩となり、岩と岩の間に隙間が出来ている場。夏でも涼しい空気が留まっている。

エゾナキウサギの冬支度について

実はエゾナキウサギは厳しい寒さが来る冬の期間でも冬眠はしません。
そして冬眠をしないエゾナキウサギは大雪山の中で寒い冬を生き抜くために冬支度をします。

それは縄張り内の数カ所にバケツ一杯ほど食物を貯め込むということ。
集めた食物は雨に濡れない場所で乾燥をさせます。
このように干し草を作り保存食にするというエゾナキウサギ独特のライフスタイルで長く寒さの厳しい冬を乗り越えているのです。

見た目に反して働き者でたくましい!!
普通のうさぎ
普通のうさぎ

置戸町にはもうエゾナキウサギはいない?

エゾナキウサギの現在の生息地についてお伝えしましたが、初めて発見された置戸町にはもう生息していないのでしょうか?

調べてみたところ、置戸山地中山におけるエゾナキウサギ生息地の分布と利用状況について調査された結果がまとめられた資料を発見したので載せておきます。

調査結果PDF

エゾナキウサギの利用状況
この調査結果によると、置戸山地中山の南斜面にはエゾナキウサギが生息できる岩石堆積地が分布されており、実際にその間でエゾナキウサギの移出入が頻繁に行われている可能性が高いことがわかったようです。
つまり、置戸町にはエゾナキウサギはまだ生息しているということですね。

とはいえ、この調査が行われたのは2004年から2008年にかけてということで、調査が終わってから既に約14年が経過しているので生息状況はまた変わっているだろうなと思いました。

エゾナキウサギを観察する際の注意点

ここまでエゾナキウサギについて話してきましたが、実際に見に行きたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただし、エゾナキウサギを観察する際はいくつか注意点があります。
最後に注意点をいくつかお伝えするので、これから挙げる以下の点を頭に入れておいてください。

=========================
・むやみに近づかない
・餌をあげない
・エゾナキウサギの近くで大声や騒音は立てない
・持ち物は全て持ち帰る
=========================

絶滅危惧種ということで非常にレアな動物なので、エゾナキウサギを守るためにもこれらの配慮を頂いたうえで生息地へ足を運んでくださいね。

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